ASD同士は違うところはあっても”もとは同じ”
同じASDでもそれぞれ違う
わたしのブログでもよくお伝えしているのが
ASD当事者のわたしの感じ方や経験からの情報が、全てのASDにあてはまるという訳ではありません
ということです。それがどうしてかと言うと、その言葉通りなのですが、同じASDと診断された者同士であっても
- 感じ方
- 考え方
- 困りごと
- 得意・不得意
これらは、ASDひとりひとり違うからなのです。
同じASDのわたしと息子の場合
わたしの息子も、わたしと同じASDです。でも、明かにわたしとは違うと感じる一面は、いろいろとあります。例えば
- わたしは集団でいることに苦痛を感じるが、息子はさほど気にならない
- 感覚過敏の感じ方も、有る・無いも、息子とわたしとでは違う
- 息子はASDにある独り言はたくさんあるが、わたしにはあまりない
- わたしは偏食が子どもの頃から酷くあったが、息子は案外、何でも食べれる
このように、同じASDであっても
表立って見える部分では違いもたくさんあるのです
ただ、やはり同じASDだと感じさせられるところも、逆にたくさんあるのです。
ASDの核の部分は同じ?
ASD同士だからこそ理解し合えてしまう部分
息子とわたしを見てみても、全く違うと感じさせられるところはあっても
こういうところ、同じだからよくわかるよ…
ということも実際はたくさんあります。同じASDだからこそ、よくわかるという部分は
ASDの核のようなところ
いつもそんな感じを受けます。例えば、息子との会話の中に出てくるもので言うと
「集中している時って、話しかけられると嫌だよね。」
「そうそう、いらいらしちゃうんだよね。」
こういう会話が日常で、お互いが理解しあえたり。他にも
- 場の空気や、人の顔色を読み過ぎて黙り込んでしまい、その場に合わせた言葉を発してしまったり
- 一人でいることを好んだり
- こだわり方が似ていたり
- 時間に執着しすぎてしまうところだったり
このように
ASD特有の元々ある部分に関しては、それこそ年齢も性別も超えて、同じところにあると感じるのです
わたしと息子の成長の仕方の違い
ただ、同じASDであっても、そのことを自覚した年齢が違ってくれば、成長の仕方はこうも違うんだなと、思う時はあります。
わたしは大人になってからASDだと診断されたのですが、息子は5歳の時点で既にASDだと診断されました。そしてそれからは、わたし自身もASDについて学び、そういった学びをなるべく日常に取り入れながら息子と接してきました。そこで見えてきたのが、わたしと息子の成長の仕方の違いです。それというのは、息子の場合
自分の好き嫌いがはっきりしている
というところなのです。わたしは子どもの頃から大人になるまで、自分自身にある本当の”好き嫌い”というものがわかっていなかったように思います。ただ、人に対しての”好き嫌い”ははっきりしていましたが、その他の部分で
- 何が得意で
- どういう場面が苦手で
- 好きな事というのはどういうもので
- 苦手な事というのがどういうものなのか
こういったことに関してはものすごく曖昧で、自分にしっかりと目を向けずに、安易に判断してきました。今となっては、そこにはいろんな要素が絡み合い、その道が自分に与えられたものだと思うことは出来ますが、その為に失敗もたくさんあり、遠回りもしてきたと思っています。そう考えると、同じASDの息子を見ていて
好きな事も嫌いなことも、得意な事もそうでないことも、わからないこともわかることも、はっきりと自分から言えるというのは、素直に”すごいな”と感じさせられます
息子と同じ、ASDだと診断を受けているの子どもたちを見ていても、自分はこうなんだというその清々しい姿が、うれしく感じる時もあります。
ASDという星から来た?
たくさんのASDの方を参考にしてほしい
過去に、こういう言葉を聞いたことがありました。当時はまだ、ASDのことをアスペルガーと呼ぶのが主流だった頃ですが、その頃にASD当事者の方が
「わたしはアスペルガー星からきた、アスペルガー人なんです。」
そう聞いた時に、わたしはまさにその表現はぴったりだと感じました。というのも、わたしも同じく、そのような感覚があったからなのです。
子どもの頃から家族と馴染めず、そして家族でありながら他人のような感覚を持っていたり、家族よりも2つ年上の従妹の方に親しみを感じていたり(ちなみにその従姉はADHDでした)、そしてASDの方と実際話してみると、不思議な親近感を感じたり。
地球に住む人が地球人なら、きっとわたしたちは、ASD星に住むASD人なんだろうと思うと、どこか腑に落ちる感覚を持ったりもしていました
ただ、もしそうだとしても、同じ人間であっても、一人一人違いがあるように、元は同じ要素を持っていたとしても、ASDも一人一人違いがあるということなんです。ですので、ASDについて知りたいと思っていただけたなら
そしてこれからのASDの子どもたちには、たった一つでいいから得意を見つけ、そしてゆっくりと成長を楽しみ、自分の生き方を全うしていって欲しいと思っています。
最後に
わたしはASDについてのブログやYouTubeを始めてから、同じくASDだと診断された方、またはASD傾向がある方と繋がりを持つことをさせていただいていく中で
本当に多くの学びを頂けていることを感じます
ASDは、表面的な違いはいろいろあったとしても、共感し合えるところは、多くあると思っています。その部分で支え合えるのならば、情報を共有し合うことで、自分自身のままで生きていくことへの励みにしていければと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
*わたしが書いている内容は、ASD当事者であるわたし自身の経験が基です。発達障害は一人一人、特性は同じではありません。ですので、全てのASDやADHDの方にそうだとは言い切れませんので、その部分はご了承下さいませ。
*画像はhttps://unsplash.com/というFree素材を使用しています。
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