ASD 常に実践型

発達障害

ASDの実践型とは

頭では覚えられない、体で覚える

ASDのわたしは、教えてもらったことを覚えたい時には、口癖のようにこう伝えていました。

「とりあえずやらせてください。」

特にこのことは社会人になり、仕事を始めてからは常に先輩や上司に言っていたように思います。というのも

何かを教えてもらう時

話しを聞いているだけでは、全くと言っていいほど覚えられないのです。

ASDと診断される前から、このことについては自覚していたので

  • とりあえず必死で教えてもらっていることをメモる
  • その後すぐに「とりあえずやってみていいですか」と伝える

これはほぼ毎回、セットでした。頭では全く覚えられない、わたしは体で覚える派なんだと思っていました。

視覚優位の特性と動作の関連性

聴覚劣位で視覚優位の凹凸がもたらしたもの

当時から漠然と

耳から聞いただけでは覚えられない…

そう感じていただけでしたが、それはわたし自身のWAIS-IV知能検査(ウェイス・フォー)の結果が教えてくれました。

はっきりと聴覚劣位で視覚優位の結果が出たのです

そして、視覚に動作が加わるテストの結果は、視覚だけのよりも点数が上でした。

ということは

  • 聴覚劣位→耳から聞くだけでは記憶できない
  • 視覚優位→まあまあ覚えられる
  • 視覚+動作→しっかりと記憶できる

こういう事だったのです。この事実は、わたし以外のASDの方にも、もちろん見られます。

このことからも、これはわたしの個人的な意見になりますが、発達障害だと診断された、または疑いがあるなら、大人の方ならWAIS-IV知能検査(ウェイス・フォー)、お子さんならWISC-IV知能検査(ウィスク・フォー)は受けておいてもいいと思います。というのは、より一層、自分自身の事がわかるからです。

学生の頃はどうしていたか

わたしにとって、学校の授業は本当に大変でした。授業といえば

  • 座って(動かない状態で)
  • 聞いて覚える(耳からの情報だけ)

正直、何もしなかったら何も覚えられませんでした。ですので、わたしが学生の頃に取っていた方法はというと

黒板の文字を追いながら、必死でノートに書きまくる

これでした。聞いていても忘れてしまうので、少しでも記憶に残そうと、せめて黒板の文字だけでもと思い、書きまくるのが常でした。ですので、途中で黒板の文字が消されてしまったりすると、とても焦ったのを今でも覚えています。

当時のわたしのノートといえば、まるで写経のように文字がびっしりと書かれたものばかりです。ただそれでも、ノートに文字を写しただけでは完璧には覚えられませんでした。ここで次に行っていたことといえば

練習問題をひたすら解いていく(体で覚える)

当時は親が、毎月送られてくる全教科のテキストワークがあり、とにかくそれを解いては覚え、解いては覚えの繰り返しでやっと覚えていました。

文字を見ながら(視覚)+ 問題を解いていく(動作)

今思うと、この方法がどんなときにも役立つと、自分自身の経験から学んでいったのかもしれません。

ASDは実践型が多い

比較的、視覚優位が多いASD

ASDは視覚優位の方が多いと言われています。ほとんどのASDが視覚優位だと言われている先生もいるくらいですが、実際わたしもそうではないかと思っています。

身近にいるASDを見てみても、わたしのASDの息子もWISC-IV知能検査(ウィスク・フォー)の検査結果は視覚優位でしたし、知人のASDの方にしても同じく視覚優位です。もちろんASDであっても、聴覚優位の方もいると思いますが、聴覚優位といえば、わたしの知っている中ではADHDの方がほとんどです。 

記憶の仕方を工夫する

このことからも、もし現時点で、ASDだと診断がなくても自覚していたり、ASD傾向があるかもしれないと感じている方の中で、耳から聞いただけでは覚えられないと悩んでいたとしたら

自分がとっていた記憶の仕方を思い出してみてください

  • 聴覚だけに頼っていなかったか
  • 視覚だけに頼っていなかったか
  • 動作は取り入れていたか

この3つを見直し、自分に合った方法、または組み合わせで、記憶力が上がるということは出てくると思います。

ASDには、自分の興味のあることについては、高い記憶力を発揮する人が多くいます。ただ、興味のないところでは、または聞くだけでは全く覚えられないと思っていたのであれば、それは記憶の仕方を工夫するということで、改善されることは出てくるかもしれません。

最後に

わたしはいつも、ASDを(当時はアスペルガー症候群と呼ばれていました)発達障害という、先天性脳機能障害の一つだと、最初に症例を報告してくれた”ハンス・アスペルガー”医師を始め、その後もASDについて研究してくださっている全ての方に、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

ASDについての研究が進めば進むほど、どれだけのASDやASD傾向のある方が、自分の生きる道筋を見つけられただろうと思うからです。

特に今でも心に残っているのは、ハンス・アスペルガー医師がASDの子どもたちのことを

小さな教授たち

そう呼んでいたことです。この言葉は、子どもたちだけではなく、大人のASDの方にも言えることだと思っています。ただそうは言っても、ASDについて理解のある社会であるかといえば、まだまだそれは遠い世界のように感じるのは、わたしだけではないと思います。

だとしたら当事者から、研究してくれている方の情報から、それを基に生きやすい道を探り、共有し合い、情報を広め、理解を広めていけばいいのではないかと思っています。

今回の内容のように、ほんの小さな情報だとしても、その部分を共感・共有できるからこそ納得し、ASDの方は自分を受け入れて生きていけることが出来るのではないかと、自分勝手にですが、そう思っています。

いつでもどんな時でも、ASDの特性をもったままの自分自身で生きていけることが、一番だと思っています。それが難しい時があったとしても、決して一人ではないことを思い出してほしいと思っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

*わたしが書いている内容は、ASD当事者であるわたし自身の経験が基です。発達障害は一人一人、特性は同じではありません。ですので、全てのASDやADHDの方にそうだとは言い切れませんので、その部分はご了承下さいませ。

*画像はhttps://unsplash.com/というFree素材を使用しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました