ASD スキルは上達しやすい

発達障害

スキルは上達しやすい

過集中との関係性

ASDといえば”ソーシャルスキルアップ”この言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、今回わたしが取り上げるのは、ソーシャル面ではなく

スキル=「技能(技術的な能力)」

こちらです。ASDにとってスキルの上達、そしてその仕上がりは、かなりの高レベルで、またはプロ並みに習得できる方が多いのです。しかも本人的には

  • それ程、大変じゃなかった
  • なんとなくやっていたら出来るようになった

こういう事も実際あります。ただ、その”なんとなくやっていたら…”のレベルが違うのがASDなのです。その”なんとなく”のレベルに関係しているのが

ASDの過集中

これです。ASDが過集中状態に入ってしまうと、とにかく時間を忘れてそのことに取り組みます。ただ厳密にいうと、ASDが過集中の時に忘れてしまうのは、時間だけではありません。

過集中状態のASDとは

これはASDでも、一人一人違いますが、忘れてしまうその中には

  • 睡眠
  • 食事
  • 集中していること以外の事

こういったことも、過集中状態のASDは全く気にならなくなります。というか、

本当に忘れてしまっている

という方が近いです。

わたしの場合ですが、今までのことを振り返ると、休みの日だとだいたい半日、12時間くらいは平気でやり続けます。学校やお仕事の日は、その時間以外ほとんどそのことに時間を使おうとしてしまします。こういう状態が、過集中が終わるまで何日でも続きます。

過集中はスキルの上達に活かせる

書道とパティシエ時代にあったスキルの上達とは

ここからは、わたしの過去にあった経験談になります。実際わたしの習得したスキルは、大したものではありませんが

そういえばちょっと他の人より上手になったな…

というものがありました。それが書道と、もう一つが、パティシエ時代にペーパーコルネというものにチョコレートを入れて文字を書く技術でした。

書道が好きだった頃

わたしは小学1年生の頃から書道教室に通い始めました。そのきっかけというのは、近所に書道教室があり、単純に親同士のご近所付き合いのようなものから始まりました。ただ、親きっかけにしても

わたしはとっても書道が好きになったんです

それこそずっと真面目に通い、家でも墨をすっては練習し、筆も自分が使いやすい筆が欲しくて、母に頼んで車で1時間以上もかけて、筆の専門店に連れて行ってもらい、自分が使いやすい筆を買ってもらっていました。

気が付けば、6年生でとる段を、3~4年生で取り、賞もいくつかいただきました。その頃は本気で書道の先生になりたいとも思っていたほどでした。書道は高校を卒業するまで続けていましたが、結局はパティシエの道へと進んでしまいした。

パティシエ時代の小さなスキル上達

家業を継ぐという名目があったり、わたし自身が自分を見失っていたので、パティシエというお仕事についたのですが、それでも今思うと、パティシエ時代にもASDの過集中はありました。

その過集中がどこで働いたかと言うと、よくバースデーケーキの上に書かれている”Happy Birthday○○!”という文字を書く技術を上達させたいと思った時でした。

実はこの文字一つをとっても、下手だと先輩に目の前でゴミ箱に捨てられたりしていました。その時に、わたしの過集中スイッチが入ったんだと思います。当時はとても激務で、朝の6時にはお家を出て、帰ってくるのは早くても10時、遅かったら11時や日付が変わっていたこともありました。

それでも帰ってきたら、職場からもらってきたチョコレートとクッキングシートで、テーブルに書いてはひたすら練習していました

そしてそれが毎日続きました。ですので当時の睡眠時間は、あってないようなものだったと思います。ただ、その状態が数週間ほど続いた頃、先輩方よりパティシエ1年目のわたしの方が上達していました。ですので当時は、いろんな先輩方から、代わりに書いて欲しいと頼まれたこともありました。

ただ、こういった事実を、わたしが自慢したいとか、全くそういうものではなく、ここでASDと言われているスティーブ・ジョブズやアインシュタインの例を挙げても、世界が違い過ぎて伝わりにくいと思ったことと

ASDの過集中によるスキルアップは、もっと身近にあるもの

ということをお伝えしたかったからなのです。ですので、わたしに限らず

ASDが過集中モードでスキルを身につけようとすると、比較的他の人よりも早く、そして上達しやすいということは、どんなASDにもよくあることなのです。

チームを組まなくても孤独の中で続けられる

一人黙々と出来るのがASD

ASDが過集中になり、スキルが上達しやすい理由の中には、過集中の時の状態にもポイントがあります。その状態というのが

孤独な中でもただひたすら黙々とやり続けることができる

他の誰かと一緒じゃなくても、全く周りを気にせずひたすら自分の時間を使い、納得するまで続けられる

というのはASDは実際、孤独は嫌だと感じる方もいますし、実は人一倍寂しがりという面も持っていたりしますが、この過集中の時だけは、孤独であっても、そこは気にせず続けられるということがあります。逆に一人の方がいい、という言い方の方が合ってるかもしれません。

スキルの上達で気を付けてきたいこと

過集中状態はコントロール不能

ASDが過集中に入ると、とにかく日常の何よりも優先してしまいます。わたしで言うと、特に無視してしまっていたのは”睡眠”でした。

  • 気が付けば朝…
  • 気が付けば後1時間後に仕事に行かないといけない…

こんなことはざらにありました。ただ、この内容は人によります。例えば、食事を摂るのを忘れていた、というASDの方もいます。とにかくこの様に、過集中の内容以外のことに意識がいかなくなってしまいます。その結果

  • 気づけば動けないほど体調が悪くなっている
  • 取り組んでいる時に声をかけられるとイライラしてしまう
  • 他のことにどんどん興味が無くなっていく

こうして心身ともに不健康になってしまうのです。スキルの上達は得れても、後で大変な目に合てしまうことがあります。

過集中に使う時間のスケジュールを組む

ASDが過集中に入る時というのは、体調や日常生活を無視した状態で、もの凄い時間を費やしていたりします。ですのでなるべく気づいた時点で

取り組む時間のスケジュールを決める

これがASD的には、取り組みやすいと思います。
  • 1日の中のこの時間にやろう
  • 〇時になったら、やりたくても終わろう

こうして時間を意識して、決めておくのです。ASDは自分でスケジュール化することで、その通りに守れることが多いですし、そうできれば体調を壊さないまま、スキルの上達に繋げるということも出来るからです。

最後に

わたしと同年代のASDの方、おそらくですが30代後半から40代、そして50代以上の方もそうだと思いますが、ASDだと診断された方、または実際、診断がなくても自覚されている方というのはとにかく

  • どうして自分はこうなんだ…
  • どうして上手くやれないんだ…

こう思いながら、そんな自分を責めながら生きてきた方が多いように感じます。実際、わたし自身はそうでした。というのは、それまでの生き方というのが、情報の乏しさ故に全てが

点であったのです

点である状態というのは、本当に自分を苦しめます。点の答えが自分だけにしかないと思っているからです。ただその点の答えが、自分以外のところにあると発見した時に初めて

線になるのです

線になったとたんに”自分を責めなくていい”この感情があたりまえに生まれます。それは決して、開き直りとかそういうものではなく、その時初めて

点の部分であった自分自身を受け入れることが出来た

そういうものなのです。情報社会になった今、過剰すぎるものもあると感じますが、ASDにとって必要な情報はどんどん取り入れていいと思っています。取り入れて、そしてその情報が自分にとって必要か不必要かを見極め、必要だと感じたなら上手く使っていけばいいと思っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

*わたしが書いている内容は、ASD当事者であるわたし自身の経験が基です。発達障害は一人一人、特性は同じではありません。ですので、全てのASDやADHDの方にそうだとは言い切れませんので、その部分はご了承下さいませ。

*画像はhttps://unsplash.com/というFree素材を使用しています。

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