ASDはどうして孤立してしまうのか?
自ら孤立している?
ASDにある特性の中でもよく耳にするのが
- ひとりを好む
- 集団が嫌い
- チームワークが苦手
- 雑談が出来ない
こういう特性があります。このことからもASDが”孤立してしまう”のは、必然と言えばそうなのかもしれませんが、今回はもう少し深掘りして、ASDについて見ていきたいと思います。
数人で集まった場所でのASDの様子とは
ここからは
数人で集まった時、雑談の場などでのASDの様子について
です。こういった場で、ASDが特にやりがちなのがこれです。
”話しかけないでオーラ”
例えば
- 完全に周りを無視してスマホをいじっている
- 目線が完全に外に向いている
- 不機嫌そうな無表情を作ってしまっている
こういう状態でいると、もちろん話しかけられることはほぼなくなりますし、孤立してしまうのは当然だと思います。そしてこの状態というのは
ASDが好んでやっている時が多いのです。
実はそこにはちゃんとした理由があります
その理由とは何なのか?と言うとASDには
興味のない話に付き合うという事に、強いストレスを感じてしまう
こういう理由があるのです。無意識レベルでやっている人もいれば、そういう自分を自覚しているから、敢えて避けている、というASDもいます。
ではASDはみんな人嫌いなの?
孤立を自ら招いてしまう、そして雑談には加わらない、そんなASDにはもちろん思いっきり人嫌い、他人に興味がない、という方も実際います。
ASDの教科書的なものにも、書かれていたりすることもあります。ただそれは、当たっている部分もありますが、違っている部分もあるのです。
ASDはあるタイミングを待っている?
先ほどにもお伝えした
人嫌いで他人に興味のないASDもいれば、そうじゃないASDもいる
という事は
ASDの中には
それなりに人と交流をしたい
実は人一倍寂しがりな部分があり、できれば関わり合いたいと思っている
ASDの中にはこういう、人嫌いな訳ではないASDもいるという事なのです。
完全に他人に興味がなくて、孤立を好み、”話しかけないでオーラ”を出している人は、見たまま、そのままなのですが。では
孤立を好んでいる訳ではない、人嫌いなわけではないASDが、どうして”話しかけないでオーラ”を出しているのか?
このことについては、確かに、興味のない雑談に加わるという部分については、強いストレスを抱えてしまうということはあるのですが、だからこそ、こう思っているのです。
自分自身と同じ興味のある話が出来る人を発見したい
こういう状態、まさに
話したい・話が出来そうな人が現れるまで”待機している”
こういう事なのです。実際、このこととは別に、他の方が普通に楽しめる雑談に、無理して加わろうとすると
- おかしな返答をしてしまったり
- 振られた話の返答に困り、言葉に詰まってしまったり
- 興味が合致していない人達に対しても、気づけばマシンガントークをやり過ぎてしまっていて、他の方の話を遮ってしまう
こういう痛い経験があり、その経験を繰り返したくないからこそ自ら”話しかけないでオーラ”を出している、という事実もありますが、今回の内容は、それとは別に、というよりも、だからこそ
話がしたいけれど”待機している”
孤立を好むその裏には、人と関わり合うタイミングを待っている状態に、自ら持っていっているASDもいるという事なのです。
最後に
わたし自身、ASD当事者という事もあって、ASDについて学んだり、ASDの方と接してきた中で時々、感じることがあります。
今回のお題には”孤立”という、どこかイメージ的に冷たい・暗い感じの表現を使いましたが、それは”孤立”という、近寄りがたい人というよりも、”ぼっちを好む”という、どちらかと言うと表現的にこちらの、少しやわらかいイメージのASDの方が多いように感じるのです。
意味合いとしては同じかも知れませんが、実際、孤立していると見えてその上、”話しかけないでオーラ”を出しているASDの方と、思い切って話してみたら
とっても笑顔が素敵な方だったり
話がとっても面白かったり
凄く気を配ってくれたり
そういうASDの方も多いからなのです。ぼっちは好きだけど、人と話すのが嫌いな訳じゃない、冷たい人でもなく、実はやさしい人が多い、こちらの方がASDの本質なのかもしれないとも思うのです。
決してわたし自身のことをそう言っているわけではありませんが笑、わたしもどちらかと言うと、そんなに人と関わり合うことが嫌いでもないからなのです。広く浅く付き合うのは下手ですが、実際、狭く深く人と付き合うのは好きです。
おそらくずっと長い間、ASDにはあまり良くないイメージの方が広まっていたように思います。それはASDの特性を知らずに、”普通と言われているものさし”でASDの方と付き合っていたからこそ、理解できなくて困っていた…こういう方が多かったという事実があるからだと思います。
普通や標準という言葉は、結局”ただの数字”にしかすぎません。
ASDの特性を知れば知るほど、困りごとだと感じていたことが”そういうとこあるよね笑”と笑い話に出来たり、今までになかったパターンで、より良いコミュニケーションが取れたりしていくことはあると思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
*わたしが書いている内容は、ASD当事者であるわたし自身の経験が基です。発達障害は一人一人、特性は同じではありません。ですので、全てのASDやADHDの方にそうだとは言い切れませんので、その部分はご了承下さいませ。
*画像はhttps://unsplash.com/というFree素材を使用しています。
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